「攻殻機動隊 SAC_2045」始まりましたね。
今まで攻殻機動隊を見たことない人も楽しめる作品になっているのですが、相変わらず少し難しい内容になっています。
そこで攻殻機動隊シリーズを全て観てきた管理人が今作について解説します。
当ブログタイトルに「電脳」が付いているのも攻殻機動隊の影響だったりします笑
とりあえず、みるべきなのか?
どんな話なのか簡単に知りたい!
SACってなんです?
こんな疑問を解決しつつ、本作「攻殻機動隊 SAC_2045」の世界観とあらすじについてご説明します。
今までのシリーズを見てきた人も、初めて見る人もタメになる記事のはず。
この記事でわかること
- 2045の世界観とあらすじ
- 今作におけるS.A.C
- 今作の面白い点
- 公式トレイラー
- まとめ
目次
公式トレイラー
攻殻機動隊 SAC_2045本編はNETFLIXにて全世界同時配信中。
攻殻機動隊 SAC_2045の世界観とあらすじの解説
今回の攻殻機動隊はそもそもどの時間軸かわからない人もいるかと思います。
攻殻機動隊S.A.Cシリーズは今まで3つありました。
- 攻殻機動隊S.A.C
- 攻殻機動隊S.A.C 2ndGIG
- 攻殻機動隊S.A.C SSS
本作の2045は3作目のSAC SSS(ソリッド・ステート・ソサエティー)の11年後の世界である2045年の設定になっています。
攻殻機動隊の時系列とSSSにについては下記に詳しく書いているので知りたい人は見てみて下さい。
攻殻機動隊シリーズはこちら
じゃあ内容はどういったものなのかというと・・・・
相変わらず独特な世界観で難しいワードが沢山出てきます。しかしこの3つを押さえたら物語がとても分かりやすくなりますので、この3つを交えながら超簡単に説明します。
今作の重要ワード
- サスティナブルウォー
- 全世界同時デフォルト
- ポストヒューマン
本作の2045年になるまでに起きたことを整理します。
2042年の出来事
先進国の人達は経済を回すために何をすべきか模索したところ、AIを使って戦争ごっこをすれば経済が上手く回るんじゃないか?と考え付きます。
そしてアメリカがとあるAIを開発します。これを使って持続可能な経済戦争という名目で経済的な戦争を開始します。要はほとんど人間は関与せずに、電脳戦やAI同士で戦わせることで民間人に被害を出さずにテクノロジーや武器を消耗することができるという訳です。各国同志でこの戦争ごっこをすれば経済が回るぞー!という話です。
これがサスティナブル・ウォーです。
しかし現実はそう上手くはいきません。各国は自分の国の利益を追求していく上に、AI(人工知能)は爆発的な成長を遂げてしまいます。
そして2044年、問題が発生します。
2044年の出来事
政策の失敗により全世界同時デフォルト発生。
これによって紙幣は紙きれに、仮想通貨もその価値を失いました。
更にAI(人工知能)の急速な進化により戦争は激化。
経済を回すために戦争だったはずが、内戦やレイドと言われるテロ行為が増加し民間人をも巻き込む戦争へと変化を遂げていきます。
サスティナブル・ウォー(持続可能な経済戦争)は元々の意味を変えて全世界を巻き込むより大きな戦争へと変わっていく訳です。
2045年~
ここから攻殻機動隊 SAC_2045の物語が始まります。
ですのでここからは世界観の説明だけでないように触れるところはかなり端折ります。
少佐率いる元・公安9課メンバーの傭兵部隊「GHOST」はアメリカ西海岸を中心にレイド(テロ)を未然に防ぐための掃討作戦をしています。
ある事件をきっかけに少佐たちは国家安全保障局のジョンスミスとやらに連行され謎のミッションに参加。
そしてそのミッションでポストヒューマンという、驚異的な身体能力と演算処理能力を持った人間を超えた存在に遭遇。
このポストヒューマンとやらが、全世界同時デフォルトを引き起こした原因であり、世界中を危機にさらす存在だという事が判明。
調査によると日本には3人のポストヒューマンが存在するとが判明。少佐たちは再び公安9課を結成し、日本にいる3人のポストヒューマンを探し始める・・・というのが1シーズンの内容になります。
今作におけるS.A.Cの考察
攻殻機動隊を始めてみる人はそもそもタイトルに入っている「SAC」が何なのかわからないですよね。
Stand Alone Complex(スタンドアローンコンプレックス)とは公式的に言うと「独立した個人でありながらも全体として集団的な行動をとること」を意味しています。
つまりどういう事なのかというと、人間は全員「個性」を持っているのに無意識的に組織立って行動しちゃうってことです。
劇中では「電脳技術」という電脳ネットワークがあり、人は誰でも簡単に情報が手に入る時代です。これにより情報の並列化が起き、人は個性を失いつつある。これもスタンドアローンコンプレックス現象に至った理由の一つ。
わかりますかね・・・?
この難しいですがとても興味深い「スタンドアローン・コンプレックス現象」を主軸に展開している作品が、テレビシリーズの「攻殻機動隊S.A.C」です。
この作品の中で「オリジナルがいなくなった後にも模倣犯が絶えない現象」を草薙少佐は「スタンドアローンコンプレックス」と名付けています。
ファンの皆さんは勿論ご存知「笑い男事件」ってやつですね。今でもたまにステッカーを張っている人を私は見かけます笑
割と社会現象にもなりましたね。
少し脱線しましたが、この「攻殻機動隊S.A.C」を手掛けている神山健治さんが今作の「攻殻機動隊 SAC_2045」の監督でありシリーズ構成だったりします。(W監督でもう一人はアップルシードの荒牧伸志氏)
だからこそ、このスタンドアローンコンプレックスについては本作の中でも非常に強い意味が込められている訳です。
わかりやすいのが、本作の後半に登場する「シンクポル」というもの。
「シンクポル」とは対象者を決め、”有罪”か”無罪”かを参加者が決めるシステム。ギルティ(有罪)と判断された場合には有罪の数だけ電脳空間にのっぺらぼうの人間が現れ、対象者をボコボコにする。
参加者はアプリでボコボコにする様子を見るこができ、ボコボコにした後は「またやりたいな・・」「また観たいな・・」などつぶやいたりするんです。
これこそ独立した個人が結果的に集団的行動に出るという形の典型ではないかと。TwitterやインスタグラムなどのSNSが普及する現代でも充分起こり得る事であり匿名性を持っているからこそ、ここぞとばかりに過剰に集団的リンチに加担する現代のつるし上げ風潮と似ているんじゃないかなと感じます。
今までも現代社会の問題を取り上げてきた攻殻機動隊ですが、今回のSAC_2045の「シンクポル」に関してはより一層身近に感じることが出来るテーマを問題にしていると思います。
それ程、私たちの時代は攻殻の世界に近づいているという事ですね。
今作の面白い点
本作は初めてみる人も楽しめる作品になっています。
理由は上記「世界観」で説明した通り今までの話とは違う新しい世界観で物語が展開されるからです。
相変わらず話は難しいものの、本作単体で考えても素晴らしい近未来SF作品に仕上がっていると思います。
そしてファンの人も引き続き楽しめます。それは今までの公安9課のメンバーはほぼ全員出ている上に、声優などのキャストも含め再び集結しているからです。
そしてファンなら違和感を持つほど今回の少佐が美しいです笑
3DCG化されて声優も変わっているとさすがに受け付けない人も多いかも知れないですが、新しいスタッフも加えながら今までの世界観を崩さないようにしているその姿勢がほんと素晴らしいですね。
攻殻機動隊 SAC_2045が魅せる世界観のまとめ
攻殻機動隊 SAC_2045を批判する人も多いかもしれませんが、個人的には認めざる得ない出来栄えだと思う。
シーズン1の終わり方に関しては完全なクリフハンガーだが、今までの世界観崩さず、フル3DCGという新たな試みを加えています。
近未来SF作品は表現する技術でも最新技術を駆使するべきだと私は思います。
その点、攻殻機動隊 SAC_2045は新しい試みと斬新なアイデアでまさに時代の最先端を進む近未来SFなんじゃないでしょうか。
シーズン2が楽しみですね。
攻殻機動隊_2045の関連記事
攻殻機動隊の記事はこちら☆
コメントを残す