超難解映画「メメント」
クリストファー・ノーラン監督が2000年に制作したサスペンス・ミステリー映画ですが
難しすぎる。
一度見ただけでは理解できませんね。
むしろ何回か観てみて
考えれば考えるほど、訳が分からなくなってきます・・・。
今回はこの映画を徹底的に解説します。
この映画に正しい解釈があるのかはわかりません。
今回の解釈についてはこんな考え方もあるんだなぁってくらいで思って下さい。
目次
メメントのあらすじ
一応載せておきます。
前向性健忘(発症以前の記憶はあるものの、それ以降は数分前の出来事さえ忘れてしまう症状)という記憶障害に見舞われた男が、最愛の妻を殺した犯人を追う異色サスペンス。ロサンジェルスで保険の調査員をしていたレナード。ある日、何者かが家に侵入し、妻がレイプされたうえ殺害されてしまう。その光景を目撃してしまったレナードはショックで前向性健忘となってしまう。彼は記憶を消さないためポラロイドにメモを書き、体にタトゥーを刻みながら犯人の手掛かりを追っていく……。
引用:yahoo映画より
映画「メメント」を整理
順番に整理していきましょう。
登場人物
レナード:記憶喪失の主人公。
レナードの妻:昔レイプされた。
テッド :眼鏡でヒゲの悪徳警官。
ジミー :麻薬密売人
ナタリー:ジミーの彼女。店で麻薬密売の手伝いをしている。
サミー :保険金詐欺師
ドッド :ジミーの相棒
「メメント」をわかりやすく観る方法
映画「メメント」は
- カラーの映像
- 白黒の映像
この2つの視点から描かれている映画です。
メインであるカラーの映像については「逆再生」です。時系列を逆にして再生しています。
白黒の映像は過去の映像をそのまま映しています。
初見でメメントを観た時、まずこれが理解不能にする要素の一つ。
ここは押さえておきましょう。
カラーの映像の区切りとして白黒の映像が入っています。交互にやっている感じですね。
そしてこの映画を理解するためには、時系列を整理する必要があります。
スポンサーリンク
時系列順に整理してみる
「カラー映像」と「白黒の映像」を整理しましょう。
白黒映像の時系列
白黒は時系列的には「カラー映像」の前の話です。
これはそのままの時間軸で映像化しているのでそのまま見ていきます。
- モーテルで目覚める(記憶なし)
- 電話がなり、誰かと話を始める
- 自分の身体に彫ってある刺青をみながら「サミー」の話をする
- サミーは保険調査員時代の初めての客だった
- サミーは事故にあい記憶障害になっていたが、昔覚えていた事全て覚えいていた
- そのことに疑問を持ち、サミーにテストを実施。
- 結果、精神疾患と判断、妻は納得せず。
- レナード、電話中に刺青「電話にでるな」を発見
- 電話相手に「誰だ!」と問うと電話切れる。
- レナード電話拒否し続けるがドアの隙間から封筒を入れられる
- 電話を再開、サミーの話に戻る。
- サミーの妻は夫を治そうと努力するがインスリン注射打たれすぎて死亡
- サミーは精神病院に入院することになった
- 電話で麻薬の密売人の話が出る、レナードがロビーにいくとテディがいる
- レナードは麻薬取引き現場へ車で向かう
- 取引現場にジミー到着、レナード、ジミー殺害
- テディ到着するもレナード覚えておらず
- レナードに「ジミーこそ妻をレイプした犯人」と説明するも納得せず
- テディ、レナードが話していたサミーの話は全て創作だと明かす
- サミーに妻はおらず、インスリンで死んだのはレナードの妻だった
- テディは全ての種明かしをする。
- 「ジョン・Gなんてどこにでもいる。自分だってジョンGだ」とテディが言う
- レナード、これを聞いて次のターゲット=テディにする
- 殺したジミーの車の写真を撮り、メモにテディの車のナンバーを書く
- そのまま車で走りさる
ここまでが白黒の話です。
ここの続きが、カラー映像になります。
考察は後ほどまとめますので、先にこのままカラーの時系列を見てみましょう。
カラー映像の時系列
カラーは時系列が逆で再生されているので逆から考えましょう。
- 走らせた車でタトゥーショップへ
- 「真実6」としてメモに書いたテディのナンバーの刺青を入れる
- テディ合流、逃げろと言われるがコースターを見つけバーに向かう
- バーでナタリーに会う、ジミーの服を着ているので不信がられる
- レナードと妻の回想シーン
- ナタリーの自宅へ行くとドッドが来たと言われる
- ナタリーはレナードに嘘をつく→レナードはドッドの元へ向かう
- いざこざの後ドッドを捕まえるが結局逃がす
- ナタリーと夜を過ごす
- テディとランチをする
- ナタリーと落ち合いモーテルの鍵をもらう
- モーテルに戻るとナタリーから貰った封筒からテディの情報を入手
- テディの写真に「こいつが犯人だ、殺せ」と書く
- テディとジミーを殺した廃屋に行き、テディを殺す
- 完
以上がメメントの全体の流れになります。
重要な部分を詳しくみていきましょう!
メメントの考察と解説
レナードが電話で話していた相手は誰なのか?
物語の中でも一番気になるところですね。
最後まで明かされません。
一番有力なのは「テディ」です。
劇中で一番レナードの事を理解しており、事情を知っているからです。
じゃあテディでいいのか?って言うと・・どうなんですかね。
全て映画を観た上で、一番この電話の相手としてしっくりくるのは誰だろう?と考えた時
レナードが精神病なら、「精神病院の担当の先生」というのが一番しっくりきます。
レナードが話していたサミーの話は、物語終盤で作り話だと判明します。
レナードが創造した話です。厳密にはサミーは存在しますが、ただの詐欺師で妻もいません。
そしてサミーが精神病院にいる描写の中、一瞬レナードが精神病院にいる描写に代わります。
インスリンを打って妻を殺してしまったのもレナードだったと判明していますね。
こうしたことからレナードは妻が死んだ当時、精神病として病院に入っていたのではないかと予想できます。
そうなると、担当医もしくはカウンセラーがつくのもわかります。
レナードの話を一番身近で聞くことも可能です。電話が嫌いなレナードと長電話できる人間はかなり少ないと思われます。
以上のことから
レナードが精神病として入院したことがあり、担当医がいた前提だとすると
電話の相手は「担当医」という可能性が高いですよね。
あくまでひとつの仮説ですからね!
サミーの話について
先ほども、少し触れてしまいましたが一応書いておきます。
これは劇中でも語られているのであえて書く必要はないかもしれませんね。
「サミー」とはレナードが保険調査員をしていた時の最初の相手。
自動車事故で記憶障害が起きました。
しかしサミーの記憶障害は少し特殊です。妻が糖尿病でインスリン注射をしなければいけないのですが、その手順などは完璧に記憶していました。
このサミーについてレナードは「俺は手順などを習慣化している」と発言しています。
この発言は極めて重要。
レナードは記憶障害だが、自分のやり方で何度もジョン・Gを作り出し、犯人を追うということを何度もやっていた、ということを示唆しているかと思われます。
サミーの記憶に対して、レナードは怪しいと感じテストを実施しましたが、精神疾患と判断。保険はおりませんでした。
これに納得がいかない妻は、死ぬ覚悟でサミーを試します。精神の問題であれば治るはずだと。
試す方法は時計を何度も戻し、インスリンの注射を短時間に何度も打たせるというもの。
夫が嘘をついていれば、どこかでやめてくれるはず。
しかしサミーは気づかず何度もインスリンを注射します。結果、妻は亡くなりサミーは精神病院に入院します。
しかし結論から言うとこの話は全てレナードの作り話でしたね。
2人の犯人はレナードの妻をレイプしました。死んだかと思いきや、命は奪われてはいませんでした。
レナードは犯人を1人倒しましたが、もう一人に殴られ気絶。その時に記憶障害になります。
しかし記憶障害になったレナードとの生活で妻の精神はボロボロでした。そこで妻はレナードにインスリンを何度も打たせて死にました。
これが事実になります。
ナタリーについて
結構重要な人物である「ナタリー」。
ジミーの女で普段はファーディーズ・バーで働いています。
麻薬密売の手伝いをしています。
ファーディーズ・バーのコースターに書かれた情報を頼りに、ナタリーを訪ねます。
レナードがジミーの服を着て訪れたので驚きます。ジミーから記憶障害の人間がいることを聞いていたので、本当なのかブラフを掛けて調べますが記憶障害が本当だとわかると親切にします。おそらくジミーを殺したことには感づいていますね。
ジミーの相棒であるドッドはジミーが殺された事実を知りません。そのため、取引きがあったのにジミーからドッドに音沙汰がないのを怪しく思い、ジミーの女であるナタリーが金を奪って逃げたと思いこみます。
そこでナタリーは思いつきます。レナードの記憶障害を使って、レナードとドッド2人を消そうと。
ナタリーはレナードにドッドを消して欲しいと頼むがレナードは乗り気ではありません。
ナタリーは自宅で芝居を打ちます。
家じゅうにあるペンをバッグに隠した後、レナードを怒らせて顔を殴らせます。そのあと家を出て車に戻りました。
10分後、家に戻りますがレナードは顔を殴ったことを忘れています。
それをいいことに、「ドッドにやられた」とうそをつき、レナードを焚きつけます。
こうしてナタリーの作戦通り、レナードはドッドを追うことになりました。
物語の全貌について
できるだけ簡潔に説明します。
物語1年前、レナードの家に2人の強盗が押し入ります。
奥さんはレイプされました。レナードが駆けつけた時には奥さんは冷たい状態。
レナードは銃で犯人を殺します。しかしもう一人の犯人に頭を殴られ逃げました。
この時からレナードは記憶障害となります。
奥さんは生きていましたがレナードの記憶障害がひどく、レナードにインスリンを打たれすぎて死亡。
※この期間に精神病院に入院している可能性あり(サミーのくだり)
そしてこの強盗事件を担当していた警官がテディ。
テディはレナードを哀れに思い復讐するのを黙認し協力します。結果、犯人を殺し復讐を遂げました。
しかしレナードは記憶障害の為、殺したことを忘れます。
復讐は遂げているのにも関わらず、再度ジョン・Gなる人物を追いかけるレナード。
この頃テディは麻薬密売の事件も担当していました。
ここでテディは思いつきます。
レナードの記憶障害を利用し、密売の代金20万ドルを横取りしようと計画。
(ここから白黒の映像の話)
ホテルにて電話のくだり。
※電話の相手は前述してる通り、テディもしくは精神科医。
ホテルを出た後、車で麻薬の取引き現場に向かい、ジミーを殺し、ジミーの服に着替えます。
この時、テディは「こいつがジョン・Gだ」とレナードに説明しますが納得せず。
テディはレナードに真実を全て暴露する。
サミーの話が創作だという事、インスリンを打って妻を殺したのはレナード自身だという事。
本当は一年前に復讐は終わっていること。いつまでも犯人を追おうとするレナードに生きる目的を与えたのは自分だ、とテディは発言する。
そして「ジョン・Gなんて人間はいくらでもいる。おれだってジョン・Gだ」とテディが言うとレナードは次の標的をテディに設定します。
レナードはテディの写真に「やつを信じるな」と書き込み、メモにテディの車のナンバーを書きます。
これで準備万端です。記憶が失われても、テディのことをジョン・Gと思い込むよう自分で仕込みました。
レナードは常に犯人を追うしかできなくなってしまっているんですね。
あとはカラーの話もおなじようなことを繰り返しています。
結果、表的にしたテディは殺されました。
物語の後はどうなったのか?
これは完全に予想です。
テディを殺した後は、今までと同じように新しい犯人候補を見つけ、ジョン・Gとして追っかけて殺すんじゃないでしょうか。
ただ、その手引きを今まではテディが担っていたので、ボロが出て捕まるのが目に見えていますね。
なんとも悲しく残酷な話ですね。
「メメント」の解説まとめ
この話、時系列を正して考えると
物語としては結構ありそうなありがちな話ですよね。
ぶっちゃけそんな面白い話ではないと思う。
やはり映画の見せ方が特殊だからこそ面白い作品だなって思います。
メメントはクリストファー・ノーランの素晴らしい才能が目を出そうとしている、そんな作品だと思います。
「メメント」の視聴方法
2020年4月26日時点
「メメント」を観ることが出来るのは
- Hulu
- NETFLIX
有名なところでいくとこの二つになります。
Hulu
Huluは月額933円(税抜)で使うことができる動画配信サービスです。
定額制なので933円で50000本近くの作品が見放題です。
追加料金が一切掛からないのが特徴なので、コスパがかなり良いです。
どこも登録したことがないのならここが一番安定してオススメできます。
2週間の無料トライアルもあるのでこの間に色々見ることができます。
NETFLIX
日本でこそ、動画配信サービスはHulu!ってイメージですが海外からするとダントツでNETFLIXだったりします。
「メメント」以外にも、面白い映画の配信がてんこ盛りです。
NETFLIXは料金プランが3パターンあり、再生する画質などによって料金が異なります。
- ベーシック(800円)
- スタンダード(1200円)
- プレミアム(1800円)
スタンダードで登録するのが一般的ですね。私もスタンダードで登録しています。
洋画、海外ドラマが好きな人はNETFLIXがオススメ。
結局どっち??
私はHulu、NETFLIX、Amazonプライムの3つ登録していますが、初めて登録するならHuluを登録してみるのが良いでしょう。
そしてメメントを何度も見直しましょう。
2019年6月現在、メメントは配信されていますが、いつ配信終了するのかはわからないので登録する前に公式ページで確認してみて下さいね!
他の面白いサスペンス海外ドラマが気になる人はこちらもチェックしてみて下さい!
ではノシ
コメントを残す